朝起きても疲れが取れない、気分が落ち込む、人と話すのがしんどい…。
そんなとき「自律神経が乱れているのかな?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
今日は、自律神経を理解するうえで役立つ「ポリヴェーガル理論」について、わかりやすく解説していきます。
普段の生活の中で「自分は今どの状態なのか?」を知るだけでも、心と体を楽にするヒントになります。
自律神経は2つだけじゃない?ポリヴェーガル理論の考え方
一般的に自律神経は「交感神経(活動モード)」と「副交感神経(リラックスモード)」の2種類とされています。
しかしポリヴェーガル理論では、さらに細かく3つに分けて考えます。
1. 腹側迷走神経(リラックス・交流モード)
・人と安心してコミュニケーションがとれる
・気持ちも安定し、リラックスできる
・食欲や消化もスムーズに働く
最も理想的な状態で、私たちが健やかに暮らすうえで土台となります。
2. 交感神経(戦う・逃げるモード)
・ストレスでイライラしたり焦ったりする
・睡眠の質が下がり、やけ食いしてしまうことも
・常に体が緊張している
いわゆる「頑張りすぎ状態」です。
3. 背側迷走神経(シャットダウンモード)
・倦怠感や無気力感が強い
・人と話すのもしんどい
・食欲が落ち、夏バテのような状態になる
クマに遭遇したときに「凍りつく」ような反応がこれに当たります。
長く続くと体力・気力の回復に時間がかかるのが特徴です。
自律神経が乱れるとどうなる?
腹側迷走神経がしっかり働いていると、心も体も穏やかに過ごせます。
逆に交感神経や背側迷走神経が強く働きすぎると、次のような不調が出やすくなります。
・睡眠が浅くなる
・イライラが続く
・食欲不振や消化不良
・人との関わりを避けたくなる
「なんだか最近やる気が出ない」「疲れが抜けない」というときは、背側迷走神経が優位になっているサインかもしれません。
今日からできるセルフケア
自律神経を整えるためには「状態に応じたケア」が大切です。
交感神経が優位なとき
・ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
・深呼吸やストレッチで緊張をほぐす
・スマホを長時間見ない
背側迷走神経が優位なとき
・短時間でも人と話してみる
・日記などで自分の気持ちを言葉にする
・消化のよい食事を心がける
小さな一歩でOKです。無理をせず、少しずつ「安心できる交流」を増やしていくことが回復につながります。
まとめ:自分の状態を知ることが回復の第一歩
ポリヴェーガル理論は「自律神経はコミュニケーションのために進化した」という考え方に基づいています。
リラックスして交流できる腹側迷走神経の状態を目指すには、まず自分がどの状態にあるのかを知ることが大切です。
イライラしているときは交感神経、無気力なときは背側迷走神経が働いているサイン。
状態に気づいてセルフケアを続ければ、少しずつ体も心も回復していきます。
「今の自分はどの状態かな?」と振り返る習慣を持つことを意識してみてください!