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おかだこうき
岡山整体リソル代表
柔道整復師の国家資格を取得後、大阪の整形外科で勤務。病院では骨折や捻挫などの外傷の処置、麻痺や手術後のリハビリを医師と連携し対応してきました。プロ野球選手のトレーナーや同業者へのセミナーも開催し知識・技術・経験を磨いていきました。姿勢の調整に力を入れており、肩こりや腰痛など慢性的な痛みを根本からの改善に導きます。これまでの経験で予防の大切さに気づき、自律神経の調整や栄養のアドバイスなどトータル的な健康のサポートもしています。

【イップスとは?】スポーツ選手だけじゃない!日常の動作改善・ぎっくり腰予防にも役立つ「再学習」のポイント

突然、今まで何度もやってきた動作ができなくなる

そんな経験はありませんか?

スポーツをしている方なら「イップス」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。野球のピッチャーが急にコントロールを乱したり、ゴルフのパターで体がガチッと固まってしまったり。

でも実はこれ、スポーツの世界だけの話ではないんです。日常生活での動作改善や、ぎっくり腰の予防にもつながる大切な考え方なんですよね。

イップスについて解説しながら、体の不安を克服するための「再学習」についてお話ししていきます。

目次

イップスとは?昔は「メンタルが弱いから」と言われていた

イップスというのは、恐怖と運動のコントロールがうまくいかなくなった状態のことを指します。

たとえば野球で言えば、今まで何も気にせず投げられていたのに、ボールを投げる瞬間に変な力みが起こってしまう。投げられたはずの距離が投げられなくなる。コントロールが定まらなくなる。

ゴルフのパターなら、体がガチッと固まって距離感がつかめなくなってしまう。

昔はこういった症状に対して「メンタルが弱いからだ」「度胸がない」「練習不足だろう」なんて言われていたんですよね。

イップスの原因は「脳のエラー」

でも実際には、これは根性論でどうにかなるものではありません。

原因として言われているのは、失敗した記憶や恐怖の記憶が、運動をプログラムする脳の部位である小脳にエラーを起こしてしまうこと。

大きな失敗をしてしまった経験、絶対にミスできない場面でミスをしてしまった経験——そういったことを繰り返すうちに、自分で恐怖心を大きくしてしまっているケースも多いんです。

恐怖感や不安感がきっかけで小脳にエラーが起きると、筋肉の緊張が制御できなくなってしまいます。だから「リラックスしろ」と言われても、できるものではないんですよね。

動作の恐怖には「安心」ではなく「再学習」を

じゃあどうすればいいのか?

改善に必要なのは、動作の再学習です。

野球のイップス克服法に学ぶ

僕自身、野球をやっていたので具体的な例でお話しすると——

ボールを投げることに恐怖心がある場合は、まずダーツの矢を持って的に向かって投げる練習をしてみる。人に向かって投げることが怖いなら、地面にバウンドさせて1バウンド、2バウンドでコントロールする練習をする。

ピッチャーとキャッチャーの距離(約18.44メートル)に恐怖感を覚えてしまうパターンもあります。その場合は、あえて遠投で100メートル、90メートルと投げてみる。「自分はこの距離なら投げられる」という感覚を作ってから、ちょっとずつ距離を短くしていく。

こうやって頭を変えていく、脳を書き換えていくことがすごく重要なんです。

日常生活でも同じアプローチが使える

先日いただいたコメントの中に「外に行って歩こうと思ったら筋肉が緊張」というものがありました。

これはイップスという症状名が当てはまるわけではないんですけど、近いものがあるなと思ったんですよね。

外で歩くという特定の動作になった瞬間に、変な緊張や不安が出てしまう。こういう場合、「安心できる状況を作ろう」「リラックスしよう」というのは現実的には難しい。

だから刺激を変えてあげるんです。

  • 早歩きだったら緊張が出ないかもしれない
  • ランニングなら違う感覚になるかもしれない
  • 家の中でもも上げをしてみる
  • スクワットで足の筋肉を使ってみる
  • ランジ(足を大股で踏み出すエクササイズ)をやってみる

歩くに似た筋肉を使いながら、ちょっとずつ再学習していく。歩くことへの恐怖感をなくすための、いいアプローチになると思います。

走れたら歩けないわけがない

もし歩くことに抵抗があるなら、あえて走ってみるというのもおすすめです。

もちろん体力や痛みの状況を考えて無理はしないでほしいんですけど、歩くことには恐怖感があるけど走るのは意外といける、というパターンもあるんですよね。

で、もし走ることができたら走るより歩く方が負荷は少ないわけじゃないですか。「走れた自分が歩けないわけないよね」って、ちょっと自己肯定感が上がる。そういうところからアプローチできることもあります。

痛みやぎっくり腰にも「再学習」は有効

この再学習という考え方は、痛みやぎっくり腰の改善にもすごく有効なんです。

認知行動療法と呼ばれるものですね。

  • 痛みをきちんと理解する
  • 改善のために何をすればいいか考える
  • 自分で痛みを過度に大きくしていないか客観視する

こういったアプローチが、痛みや動作改善にはとても重要になってきます。

姿勢改善も「再学習」の積み重ね

姿勢を直そう直そうと思っても、四六時中力を入れておくことなんてできないですよね。

僕の理想は、自然といい姿勢が作り上がっている状態。

脳や神経を再学習するためのエクササイズ、呼吸の改善、ストレッチ——そんなイメージでセルフケアを続けてもらえたらなと思います。

コメント返し

前ももの張りについて

「早く歩こうとすると太ももとふくらはぎの上あたりが張って足が前に進みにくい」というコメントをいただきました。

多くのパターンで言うと、お尻ともも裏が使えていないケースが多いです。原因は股関節の硬さや姿勢の影響。

早歩き自体はすごくいいんですけど、張り感を修正したいなら、姿勢改善、股関節の可動域改善、筋力アップまでアプローチしてみてくださいね。

狙った筋肉に効かせるコツ

「スクワットの形を変えても前ももばかり効いてしまう。こうき先生のヒップリフトで初めてもも裏に効いている感覚を味わえました」というコメント。

いいですね!これも再学習に近い話なんです。

姿勢が悪かった人は、狙った筋肉に刺激が入りにくいことが多い。だから無理に動作を行うよりも、ヒップリフトでしっかり効いている感覚があったなら、まずそれを続けてみてください。

慣れてきたら次の部位へ。狙ったところにちゃんと刺激が入る動作を繰り返す——これを成功体験として積み重ねていくのが大切です。

歩くと足がプルプルしてしまう

「リハビリで頑張って外を歩いていたら足がプルプルしてきて歩けなくなり、休み休み帰ってきた経験がある。そこからこのような症状が出るようになった」というコメント。

直接見ていないので具体的なステップまで落とし込むのは難しいんですけど、メンタル的なところを修正するよりは、動作の再学習をしていった方が体的には良さそうですね。

家の中でできるトレーニングからでも、ぜひ頑張ってみてもらえたらなと思います。

まとめ:脳と体は、いつからでも書き換えられる

今回はイップスという現象を入り口に、動作の再学習についてお話ししました。

ボールを投げる、ゴルフのパターを打つ、そういったスポーツの場面だけでなく、姿勢改善や日常の動作改善にも、この「再学習」という考え方は当てはまります。

恐怖や不安で体が思うように動かなくなっても、刺激を変えて、ちょっとずつ脳に「これなら大丈夫」という経験を積み重ねていけばいい。

脳も神経も、いつからでも書き換えていくことができます。

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執筆者

おかだこうきのアバター おかだこうき 岡山整体リソル代表・柔道整復師

柔道整復師の国家資格を取得後、大阪の整形外科で勤務。病院では骨折や捻挫などの外傷の処置、麻痺や手術後のリハビリを医師と連携し対応してきました。プロ野球選手のトレーナーや同業者へのセミナーも開催し知識・技術・経験を磨いていきました。姿勢の調整に力を入れており、肩こりや腰痛など慢性的な痛みを根本からの改善に導きます。これまでの経験で予防の大切さに気づき、自律神経の調整や栄養のアドバイスなどトータル的な健康のサポートもしています。

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