「なんとなく疲れやすい」
「呼吸が浅くて、緊張が抜けない」
「姿勢を整えたいけどうまくいかない」
そんなお悩みを感じている方へ、今日は少し専門的なお話を交えつつ、「横隔膜」「姿勢」「迷走神経」の関係についてお伝えしていきます。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、できるだけわかりやすくお話していきますね。
横隔膜とは?ただの“呼吸筋”ではない
横隔膜は、みぞおちの奥にあるドーム状の筋肉です。呼吸と深く関係しており、吸うときには下にさがり、吐くときには元に戻ることで、肺の動きを助けています。
ここまでは、多くの方がなんとなく知っているかもしれません。
ですが実は、横隔膜は「呼吸」だけでなく、「姿勢の安定」にも重要な役割を持っているんです。
不良姿勢と横隔膜の関係
たとえば…
・スウェイバック姿勢(お腹が前に出て腰が反っている)
・猫背
・反り腰
こうした不良姿勢になると、横隔膜が正しく機能しにくくなります。
なぜなら、横隔膜はみぞおち奥の位置にあるため、姿勢が崩れると、その動きが妨げられてしまうからです。
結果として、呼吸が浅くなり、自律神経のバランスも乱れやすくなってしまいます。
自律神経と迷走神経のつながり
次に登場するのが「迷走神経」
これは、脳から出て首〜肺〜心臓〜横隔膜〜胃腸まで伸びている、いわば“リラックス神経”です。
迷走神経は自律神経のうち、リラックスをつかさどる「副交感神経」の代表格。
この神経がしっかり働くと、呼吸が深まり、胃腸も動きやすくなり、体全体が安心モードに切り替わります。
逆に、迷走神経が弱ると交感神経が優位になり、リラックスしづらくなってしまいます。
卵が先か?鶏が先か?姿勢と自律神経の循環
実際のところ、姿勢が崩れることで呼吸が浅くなり、それによって迷走神経の働きが弱くなる。
あるいは、ストレスや睡眠不足によって迷走神経が弱まり、その結果として姿勢が悪くなる。
こうした“循環”が起こるため、「どこから改善すればいいの?」と迷ってしまう方も多いかもしれません。
ですが、どこから始めてもOKです。
姿勢を整えることで呼吸は深まり、迷走神経の働きも高まります。
逆に、深い呼吸を意識することで、姿勢も整いやすくなります。
情報に振り回されないために
SNSやYouTubeには、たくさんの健康情報があふれていますよね。
でも、「点」でバラバラに知識を集めるよりも、「横隔膜」「姿勢」「迷走神経」は全部つながっているんだ、と知っておくだけで、情報の“線”が見えてくるようになります。
自分に合った方法を見つけるための、地図のようなものになるはずです。
最後に
横隔膜・姿勢・迷走神経。
この3つは、整体の現場でもとても反応の出やすい部分で、僕自身も日々の施術でとても大事にしているところです。
私たちは1日に2〜3万回もの呼吸をしています。その呼吸が浅いか深いかで、体への影響はまったく違います。
「呼吸を変える」ことは、「自分の身体を変える」こと。
難しいことではなくても大丈夫。ぜひ深呼吸から始めてみてください。