産後の骨盤矯正、やらなかったから腰痛が続いているのかな…と不安になっていませんか?「とりあえず矯正すべき?」と悩む方はとても多いんです。今日は、現場で産後ケアを見てきた立場から、優先すべきポイントをわかりやすくお話しします。
結論から言うと、骨盤矯正を完全否定はしません。ただ「骨盤矯正こそ正義」という考え方は少し違うかな、と僕は思っています。最後まで読んでいただくと、今日から何に取り組めばいいかがスッキリしますよ。
産後の骨盤矯正は本当に必要?
よくあるイメージは「出産で開いた骨盤をパコッとはめ直す」というもの。でも、現実的にそれはかなり難しいんです。仮に強い力で骨盤が動いたとしても、ピタッと元の位置に正確に戻すのは不可能に近い。しかも産後は靭帯が緩んでいる時期。戻したとしても固定されにくい状態なんですよね。
さらに、アメリカのカイロプラクターを対象にした検査では、骨盤の歪み評価に一貫性がなかった、という報告もあります。評価がバラつけばアプローチもバラつく。つまり「骨盤矯正をすれば万事解決」とは言いにくいわけです。
だからこそ僕は、骨盤だけに注目するのではなく、解剖学的に評価しやすい「姿勢」と「筋力」に目を向けることをおすすめしています。
骨盤矯正が難しい理由
手で「パコッ」と戻すのは現実的に難しい
骨盤を物理的に正しい位置へはめ込むような矯正は、構造上そもそもハードルが高いんです。力任せの施術はリスクもありますし、知恵の輪のようにカチッと戻るものではありません。
産後は靭帯が緩み、戻しても固定されにくい
妊娠・出産で靭帯は一時的に緩みます。仮に位置が動いても、支える力が弱ければ安定しません。だからこそ「筋力」が必要になります。
評価がそろわないとアプローチもそろわない
アメリカのカイロプラクターによる骨盤評価が一致しなかった、という話があります。評価がバラバラなら対処法もバラバラになり、効果の再現性は低くなりますよね。
産後ケアで本当に優先したいこと
姿勢改善(反り腰・スウェイバックの修正)
妊娠中や産後の抱っこ・授乳で、反り腰やスウェイバックになりやすくなります。まずは姿勢全体を整えること。これだけでも腰や股関節の負担がグッと減り、痛みの改善に直結します。
お腹のインナーマッスルと骨盤底筋を鍛える
腹部のインナーマッスルや骨盤底筋が使えない状態だと、体幹の支えが弱くなり、また痛みを繰り返しやすくなります。姿勢を整えつつ、ここをしっかり使えるようにしていきましょう。
固いところはストレッチ、使えていないところは強化
負担で固くなった部位はやさしくストレッチ。サボっている筋肉は鍛える。この組み合わせが、産後のからだには最も現実的で効果的です。
骨盤矯正を完全否定しない理由
僕自身、カイロプラクティックの施術を受けて「気持ちいい」「動きやすい」と感じたことがあります。だから受けたい方は受けてOK。
ただし「骨盤矯正だけが正解」ではありません。派手な施術をしなくても、姿勢と筋力にフォーカスすれば十分に改善は目指せます。
まとめ:筋力をつけることがいちばんの近道
- 産後の骨盤矯正は「やれば全て解決」ではない
- 優先すべきは、姿勢改善とインナーマッスル・骨盤底筋の強化
- 固いところは伸ばし、使えていないところは鍛える
- 派手な施術がなくても、からだはちゃんと変わります
産後のからだは、正しく積み重ねれば必ず応えてくれます。焦らず、できることから始めていきましょう。
僕も現場で、同じメッセージを何度もお伝えしています。あなたのペースで大丈夫。今日から一歩、姿勢と筋力づくりを意識してみてくださいね。

