「代謝を上げて痩せましょう!」
「大きな筋肉を鍛えると、消費カロリーが増えますよ!」
こんな言葉、よく耳にしませんか?
たしかに筋肉量を増やすことで代謝が上がるのは事実です。ですが、そのアプローチが全員に適しているかというと、答えはNO。
今日は、実際にご相談いただいたお客様のケースをもとに、“痩せるための筋トレ”がうまくいかない原因についてお話ししていきます。
反り腰なのに筋トレ?それ、逆効果かもしれません
あるお客様は「代謝を上げて痩せたい」という思いから、パーソナルトレーニングに通われていました。ですが、なかなか思ったような効果が出ず、腰痛に悩まされていたんです。
体を見させてもらうと、明らかに強い“反り腰”の状態。骨盤は前傾し、腰の反りがきつく、日常の立ち仕事でも腰痛が出てしまうとのこと。
それにもかかわらず、トレーニングメニューには「背中」や「太ももの前側(大腿四頭筋)」の筋トレが組まれていました。
反り腰の人にこれらの部位を鍛えるとどうなるか。
・腰椎の緊張がさらに高まり、反り腰が悪化
・太もも前側が張りやすくなり、股関節や膝の可動性が低下
・腰の不安定性が強くなり、腰痛リスクが増大
つまり「代謝アップ」どころか、日常生活のストレスと痛みが増してしまう、という悪循環に陥ってしまうんですね。
筋トレは悪じゃない、でも“順番”がある
もちろん、筋トレそのものを否定するわけではありません。ただ、「筋肉をつける=代謝アップ=痩せる」という短絡的な構図だけでは、うまくいかないケースも多いんです。
大切なのは優先順位。
まず整えるべきは、反り腰や骨盤の前傾といった体のバランスです。腰に痛みがあるなら、筋肉をつける前に「痛みを取る」ことが最優先。
そこを無視していきなり筋トレに取り組むと、「頑張ってるのに結果が出ない」「体がつらくなる一方」といった悪循環にハマってしまいます。
じゃあ、どんなアプローチがよかったの?
たとえば今回のお客様であれば、腰や太もも前ではなく、
・腹筋(特に下腹部)
・大胸筋などの体幹周辺
・背骨を丸めるためのエクササイズ
こういった「姿勢の改善」や「柔軟性を高める」メニューから始めるべきだったと考えます。
また、トレーニング以外にも重要な要素がもうひとつ。
睡眠・食事・ストレス発散が“優先順位トップ3”
実は、トレーニングよりも優先すべきものがあります。
- 睡眠
- 食事
- ストレスの発散
これらが整っていない状態でどれだけ筋トレをしても、体はうまく反応してくれません。むしろ痛みがある場合は、無理して運動することで悪化してしまうリスクすらあります。
だからこそ焦らず、「まずは体を整える」ことから始めてみてほしいんです。
まとめ:焦らなくて大丈夫
筋トレはダイエットにも健康にも大切です。
でも「今の自分の体に合っているか?」この視点を持たずに取り組んでしまうと、かえって不調を招くこともあります。
反り腰、腰痛、体の硬さなど、気になる不調がある方は、まずは体のバランスを整えることから始めてみてくださいね。
焦らなくて大丈夫。体は正しく向き合えば、ちゃんと応えてくれます!