今日は、ちょっとマニアックだけど体の改善に欠かせない「相反神経抑制」というメカニズムについてお話しします。
普段の生活ではあまり耳にすることがない言葉ですが、これを知っているかどうかで、ストレッチやエクササイズの効果が大きく変わってきます。姿勢改善や慢性痛の根本アプローチに興味がある方には、ぜひ知っておいて欲しい内容です!
相反神経抑制って何?
たとえば、肘を曲げて力こぶを作ろうとする時、働いているのは上腕二頭筋(力こぶ)です。その反対側の筋肉、上腕三頭筋は自然とゆるみます。
力を入れる筋肉が収縮すると、反対の筋肉が緩む。これが「相反神経抑制」です。
この仕組みは腕だけでなく、体中の関節で起きています。腹筋を使う時には背中の筋肉がゆるむ。膝を伸ばす時にはもも裏がゆるむ。
つまり、体をうまく動かすには、力を入れる側と緩める側、両方のバランスが必要なんです。
ガチガチの背中では腹筋が効かない理由
スウェイバック姿勢や反り腰が気になる方が、「腹筋を鍛えればいい」と思って頑張っても、思ったような効果が出ないケースがあります。
なぜかというと、背中や腰がガチガチに緊張していて、相反神経抑制が働かないからです。
背中が緩まない状態では、いくら腹筋に力を入れても、体がうまく動いてくれません。結果として腰が痛くなることさえあります。
ストレッチだけでは足りないケースもある
もちろんストレッチは大切です。でも、それだけでは足りないこともあります。
たとえば、太ももの前(大腿四頭筋)がパンパンに張ってしまう人。多くは、お尻や腿裏の筋肉がうまく使えていないことで、前ももに負担が集中しています。
この場合、いくら前ももをストレッチしても、根本的な改善にはなりません。
お尻や腿裏の筋肉を鍛えることで、前ももの緊張が緩みやすくなります。これも、相反神経抑制を活かしたアプローチです。
「緩める」ために「使う」感覚の逆転
癖を直す、緊張をゆるめると聞くと、ついマッサージやストレッチを思い浮かべがちです。でも、実は「使うこと」で緩む筋肉もあるんです。
ある部分に力を入れることで、反対側が自然と緩む。この体の仕組みをうまく活かせば、姿勢や動きのクセは大きく変わっていきます。
雑談:自分の感覚に正直になること
最近はSNSでも多くの情報が飛び交っています。「これだけで痩せる」「視力が回復する」みたいな投稿、よく見かけませんか?
もちろん中には効果のあるものもあるかもしれません。でも、大切なのは「自分の体に合うかどうか」です。
誰かが言っていたから、ではなく
「自分はどうなりたいか」
「5年後、10年後にどうありたいか」
を基準にして、情報を選んでほしいと思っています。
まとめ
相反神経抑制という言葉自体は難しく感じるかもしれません。でも、「どこかに力を入れたら反対側は緩む」というシンプルな仕組みです。
それを理解して、ストレッチだけじゃなくエクササイズにも取り組んでみる。そうすることで、体のバランスや動き方が変わっていきます。
癖を変えるには、ただ緩めるのではなく、「正しく使うこと」。この視点、ぜひ大事にしてみてください!