あなたは普段、歩き方を意識していますか?
通勤、買い物、散歩。毎日あたりまえにしている“歩く”という動作。けれど、実はこの歩き方次第で、腰痛や肩こり、姿勢の崩れといった不調が引き起こされることもあるんです。
今回は整体師として、日々多くの方を見てきた経験から、「体にやさしい歩き方」のコツを3つに分けてお伝えします。
歩き方を見直すだけで、体が軽くなる理由
私たちは「歩き方」を誰かに習うことなく育ってきました。ですが、姿勢のクセや筋力バランスの乱れによって、体に負担のかかる歩き方をしてしまっている方がとても多いです。
「正しい歩き方」を意識することで…
- 足腰の張りや痛みが減る
- 姿勢が安定して見た目が良くなる
- 疲れにくくなる
このような変化を感じる方も少なくありません。
歩く時の3つの意識ポイント
1. 膝とつま先の向きを揃える
まず意識してほしいのが、「膝」と「つま先」の向き。内股やガニ股など、足先と膝がバラバラな方向を向いている方は多いです。
とくに多いのが「ニーイン・トゥーアウト」と呼ばれる、膝が内側・つま先が外側を向いてしまう状態。このまま歩くと脚にねじれが生じ、股関節や足首に負担がかかります。
チェック方法
家の中で鏡やガラスに向かって歩いてみてください。自分の脚の向きを目視できる状態で、膝とつま先がしっかり進行方向を向いているかを確認しましょう。
最初は少し窮屈に感じるかもしれませんが、それが「正しい位置」に戻す第一歩です。
2. 息を吐きながら、お腹の下に軽く力を入れる
次に意識したいのが「下腹部の使い方」です。
歩くときに息をふっと吐くと、肋骨が下がって腹筋の下の方に力が入る感覚があると思います。この感覚を大事にして、下腹に軽く力を入れながら歩くことで、骨盤が安定し、姿勢の崩れを防げます。
特に「反り腰」や「スウェイバック」といった姿勢の方は、重心が後ろに流れやすいため要注意です。お腹に意識を向けることで、自然と体幹が働き、腕を振ったときの「ひねり」動作もスムーズになります。
3. 肩に力を入れず、大きく腕を振る
意外と見落としがちなのが「腕の振り方」です。
ウォーキングのときに肘を曲げて肩をすくめて歩いていませんか?この状態では、首や肩まわりの筋肉(僧帽筋や胸鎖乳突筋)に余計な力が入り、かえって疲れやすくなります。
ポイントは、肩を下げたまま、大きく自然に腕を振ること。肘は曲げても伸ばしてもOKですが、肩がすくまないように注意しましょう。
散歩中など荷物を持っていない場面では、リズムよく腕を振って歩くことで、全身の連動が高まります。
「かかと着地」を意識しすぎない
よく「かかとから着地しましょう」と言われますが、これは過剰に意識する必要はありません。
無理に足首を起こして(背屈して)着地しようとすると、ふくらはぎが張ったり、重心移動がスムーズにできなくなってしまうことがあります。
通常、健康な人であれば、意識しなくても自然とかかと着地はできています。わざわざ意識することで、かえってフォームが不自然になってしまう場合があるので注意しましょう。
まとめ:歩き方を変えれば、体が整う
今日から意識してほしいポイントはこの3つです。
- 膝とつま先を正面に揃える
- お腹の下に力を入れながら歩く
- 肩の力を抜いて、大きく腕を振る
たったこれだけでも、体のバランスや姿勢、疲れやすさが大きく変わります。
最初は少し違和感があるかもしれませんが、継続することで自然と自分の歩き方が変わっていきます。ぜひ、日常の歩行から“整う身体”をつくっていきましょう!