今日は「反り腰」や「スウェイバック」といった姿勢の崩れを、体の“連動”という視点から考えていきたいと思います。
よく「腰や背中が悪いから反り腰になる」と思われがちですが、実際には“体全体の連動性の低下”が原因になっているケースが多いです。
つまり、もともと反り腰だったわけではなく、体の連動がうまく使えないことがきっかけで、結果的に反り腰やスウェイバックが起こっている場合が多いです。
今回は「体の連動」を全体像として捉えながら、姿勢改善のヒントになる内容をお話ししていきます。
ぜひ最後までご覧ください!
反り腰と股関節の連動の関係
まず、立った状態で骨盤を前傾させて、腰を反らせる「反り腰」を一度つくってみてください。
この状態では、股関節は自然と内側にねじれやすくなっていませんか?
これは「運動連鎖(連動)」と呼ばれる現象で、反り腰だから股関節が内にねじれるのではなく、股関節が内にねじれているから反り腰になる、という逆のパターンも存在します。
特に、股関節が硬くて外に開く動きが苦手な人に多く見られます。
例えば、先天性股関節脱臼のように関節が浅く作られている場合や、小さい頃からスカート生活で内股が習慣になった女性などが該当します。
こうした背景があると、無意識に内股で歩くようになり、その連動で骨盤が前傾し、バランスを取るために腰を反らす…という流れで反り腰が完成してしまうのです。
反り腰による全身の影響
反り腰になると、腰の反りが強くなるぶん、背中(胸椎)の丸みが強くなり、いわゆる「猫背っぽい」姿勢になります。
同時に、首も前に突き出されやすくなり、ストレートネックになるケースも多いです。
また、股関節が内にねじられることで、膝や足首にも連動が起こり、膝が内に向き、膝裏が外に開くような“ハの字”の状態になります。
こうなると脚の使い方が不安定になり、太ももの前・すね・ふくらはぎに無駄な緊張が出てしまい、脚が太く見える、張りやすいといったトラブルにもつながります。
スウェイバックの連動パターン
スウェイバックは、骨盤が後傾し、お腹を前に突き出すような姿勢です。
この姿勢では「がに股」になりやすく、股関節の外旋が起きることで歩き方も崩れてしまいます。
さらに、骨盤が後傾した状態ではハムストリングス(もも裏の筋肉)が常に縮こまり、もも裏が硬くなります。
その結果、足を前に出しにくくなり、歩き方がぎこちなくなるほか、お尻の筋肉も使いづらくなってしまい、体のラインが崩れてしまうこともあります。
上半身は背骨のカーブが少し浅くなりますが、身体全体が後ろに傾くため、頭が前に出てしまい、結果的にストレートネックになるケースも見受けられます。
姿勢改善には「体の連動」を見直そう
SNSなどでは「腹筋を鍛えましょう」「このストレッチをすればOK」など、単体の筋肉や運動に焦点が当たることが多いですが、本質的には“体の連動”を考え直すことが大切です。
「歩き方が悪いから姿勢が悪くなる」「姿勢が悪いから歩き方が崩れる」このどちらもが起こり得るため、両方を見直す必要があります。
苦手な動きがあるなら、それを一つひとつクリアしていくだけでも十分な改善になります。
例えば、反り腰で内股になりやすい人は、股関節を開くストレッチを取り入れるのが効果的です。
姿勢改善を目指すなら、部分的なアプローチにとどまらず、全身のつながりを意識してバランスよく整えていきましょう!