今日は「デスクワークと姿勢の悪さ」についてお話していきます。
よくある「デスクワーク=猫背になる」といった話ではなく、もっと構造的に、どんな筋肉がどう働いて、どんな人がどんな姿勢になりやすいのか。できるだけ具体的に深掘りしていきます。
デスクワーク中心の方は、ぜひ最後までご覧ください。
座りっぱなしがもたらす股関節と骨盤への影響
僕自身が一番問題だと考えているのは「股関節」です。
座っている時間が長くなると、股関節は約90度の屈曲状態が続きます。これは、腸腰筋や大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)が短縮しやすくなる姿勢なんです。
一方で、お尻の筋肉は軽く伸ばされた状態で圧迫されるため、筋力が低下しやすくなります。
その結果、
- 股関節の可動域、特に伸展(後ろに蹴る動き)が狭くなる
- 骨盤が不安定になりやすくなる
- 骨盤が後傾すると背骨が丸まり、猫背になりやすい
という流れができてしまいます。
スウェイバックやストレートネックにもつながる構造的な変化
また、お尻の筋力低下によって、立ったときに骨盤がうまく支えられず、いわゆる「スウェイバック姿勢」になる方も多く見られます。
さらに、作業中に頭が前に出ることで「後頭下筋」が固まり、首の背骨の動きにロックがかかります。
この状態が続くと、
- ストレートネックになる
- 頭の位置感覚がつかみにくくなる
- 結果として姿勢も悪化する
などの影響も出てきます。
ケアとしておすすめなのは「歩くこと」と「ラジオ体操」
では、どんなケアをすれば良いのか?
まずおすすめなのが「歩くこと」です。
歩く動作には股関節の伸展が含まれるため、座りっぱなしで固まった股関節を自然に動かすことができます。
加えて、
- お尻のトレーニング
- 背骨の柔軟性を高めるメニュー
も取り入れるとさらに効果的です。
シンプルな方法として「ラジオ体操」もとてもおすすめ。背骨の回旋や側屈、ジャンプ動作など、全身を使った動きが多く含まれています。
何から始めたらいいか迷う方は、「散歩+ラジオ体操」から始めるのがベストです。
デスクワーク中の意識ポイント
作業中は、
- こまめに立ち上がる・歩く
- 骨盤をできるだけまっすぐ起こす
- 顎を引く、胸を張るではなく「首を長くする」意識
この3点を意識してみてください。
身長が高くなるようなイメージで首を伸ばすようにすると、首や背中への負担を軽減できます。
さいごに
デスクワークによる姿勢の悪化は、単に「猫背だから背筋を伸ばせばいい」という単純な話ではありません。
股関節の可動域の低下や、お尻の筋力低下、背骨の柔軟性の低下など、体の構造的な変化が大きく関わっています。
だからこそ、姿勢を整えるためには「歩く」「股関節を伸ばす」「ラジオ体操をする」といった、地味だけど本質的なケアが大切です。
長時間の座り姿勢に不安がある方は、ぜひ日々の習慣から見直してみてくださいね!